◇貴方は俺だけの【極上】シュガー◇

***************

それに気付いたのはアパートの鍵をバッグから取り出す時だった。

やたらとスムーズに鍵を出せたな。

ん?

バッグ軽くないか?

こんなにコンパクトだったか?

その違和感の正体に気付いたときは、全身から血の気が引いた。

ノートパソコンが入ったバッグがない…

きっとあのカフェだ。

ああー、なんてことしてんだ、俺!
セキュリティーは万全でも、万が一誰かに持ってかれてたら始末書どころではない。

理想のカフェに出会えて浮かれすぎた!
俺のアホー!

急いでポイントカードに書いてある電話番号に掛けた。

腕時計を見れば、もう22時を回っている。

もう、従業員は帰っていてもおかしくない。

だが…

「お電話ありがとうございます。ForestVery、風音でございます。」

あの子だ。

良かった!まだ残っていてくれた!


< 13 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop