◇貴方は俺だけの【極上】シュガー◇
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それに気付いたのはアパートの鍵をバッグから取り出す時だった。
やたらとスムーズに鍵を出せたな。
ん?
バッグ軽くないか?
こんなにコンパクトだったか?
その違和感の正体に気付いたときは、全身から血の気が引いた。
ノートパソコンが入ったバッグがない…
きっとあのカフェだ。
ああー、なんてことしてんだ、俺!
セキュリティーは万全でも、万が一誰かに持ってかれてたら始末書どころではない。
理想のカフェに出会えて浮かれすぎた!
俺のアホー!
急いでポイントカードに書いてある電話番号に掛けた。
腕時計を見れば、もう22時を回っている。
もう、従業員は帰っていてもおかしくない。
だが…
「お電話ありがとうございます。ForestVery、風音でございます。」
あの子だ。
良かった!まだ残っていてくれた!