へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜



 ミアが言い返すことを諦めたのだと判断したのか、グリモート卿がこれまでの被害を粗方説明し、今後の動きについて、胸元から折りたたまれた書類を取り出して読み上げる。



「では気を取り直して、殿下からのご通達です。国民の避難を最優先にしながら調査を行うこと。事が動き出したら、直ちに全部隊出動とのことです。くれぐれも抜かりないよう万全な状態で挑むこと……良いですね」


「――御意に」



 リヒトが目を伏せて頷くと、颯爽と扉へと向かうグレモート卿は、これからの余興を楽しむように笑みを零し去っていく。

 それが挑発されているのだと分かり、怒りを静かに飲み込んだ。

 彼の足音が遠ざかっていくのを聞きながら、リヒトが静かに口を開いた。



「考えるに……この事態が大きく動き出すまで、ざっと二週間といった所だ。各部隊、気を引き締めて行け。以上で会議を終了する。では、解散」



 その言葉で、円卓会議は呆気なく幕を閉じた。

 動揺が未だに部屋中に流れる中、ミアに行くぞと声を掛けて動き出すリヒトの背を、黙って追いかけることしか出来なかった。

 





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