へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜




 第四部隊の団長を召喚したという、問題児として見られているに違いないと目を伏せた。


 団長には召喚術使っちゃダメって言われたのに、約束破ったんだから怒られるよね……。


 ただ思っていた反応とは裏腹に、リヒトは優しくミアの頭を撫でてきた。その手の温もりに思わず視線を向けると、微笑む彼と目が合った。



「なんだ、やれば出来るんじゃないか」


「え、あの、怒らないんですか?」


「これでもう一度、俺を召喚していたら即刻クビにしていただろうな」


「ひっ……!」



 容赦ない言葉に身を竦めるが、安心感を与えてくれるリヒトの手に心が解されていく。

 ただどこか切なそうに目を細めた彼は、ゆっくりと口を開いた。



「今の俺には、ミアがいない日常なんか想像できないんだから、そう怯えるなよ」


「団長……?」


「ひたむきに努力して、失敗したとてめげることなく突き進む。そんな召喚士が俺の仲間ということが誇らしい」


「……!」




 全身を脈打つような大きな鼓動が鳴り響く。





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