へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜



「あの人女だからって舐めると、痛い目に遭うもんなあ……」


「前来た時に医務室行った奴、何人だったっけ?」


「覚えてる限りだと七人とか?そのくらいか?」


「もっと多かった気がするけどなあ……」


「えっ?!副団長って女性なの?!」



 驚きのあまり大きな声で食い気味で話を遮るが、騎士達は怯えた様子で頷いた。



「騎士団で唯一の女性騎士にして、副団長を勤める強者さ。腕前は団長ともほぼ互角で、何と言うか兎に角隙がないって感じの人……かな」


「戦いの途中で目が合ったら最期だと言ってもおかしくない。それくらい出来る人だな」


「す、すごい人なんですね……」



 騎士達が怯える程の強さを持つ女性を、簡単に想像出来ずにいると、耳を疑う話が入ってくる。



「副団長って確か昔、団長と付き合ってたっていう噂あったよな?」


「え?今も付き合ってるって噂を前に聞いたぜ?獣人をカモフラージュするのもそうだけど、本部に二人していると周りの目があるからって理由で、団長はここに来たんだろ?」


「どちらにしろ、強さを持つ二人だ。お似合いだよな〜」


「近寄り難いけど美人だし、頭いいし」

 

 浮かれていた自分を埋めてやりたい程の衝撃に、ミアの心の中で何かに亀裂が走る。耳を塞ぎたくもなるが、それがどうしてなのか分からない。








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