へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜
コカトリスが本気になってしまえば、口から毒を吐き出してしまう危険な魔物を、放っておくわけにはいかない。
「騎士達が留守だっていうのに……!」
「とりあえずあの魔獣をどうにかしないと、街が危険だ!」
「いや、俺達には絶対歯が立たない。この事を騎士達に報告するまでの間、街の人達の避難を優先するべきだ」
門番達はどうしたものかと意見をぶつけ合う中、ミアはこの緊急事態を解決する無謀とも言える方法を見出していた。
「きっとお母さんは、迷子のあなたを探して混乱しているんだと思うの。今からお母さんの所へ帰してあげる!」
魔獣を相手に戦闘した経験は一度もない。ただ、この雛鳥を帰せば、落ち着いてくれるそんな気がしたのだ。
現時点で親コカトリスは人を襲うような行動を取っていない事から、自分にもどうにかできるとミアは宛のない直感を信じた。
意見をぶつけ合う門番達を残すように、ミアは危険を顧みず雛鳥を探すコカトリスの親に向かって一直線に走り出した。