へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜

9*へっぽこ召喚士、訓練に翻弄される








 昨日の出来事のせいもあってか、中々寝付けないまま迎えた野外訓練当日。


 いつもより早く起きたミアは、いつも通りの仕事に加えて、リヒトの指示通りの準備の最終確認を済ませると、王都近くの草原まで一斉に魔獣達を連れてやって来ていた。

 ピクニック日和とも言える温かい陽だまりに救われるようにしながら、いざ始まった訓練に身を引き締める。落ち着きのなさは、魔獣達にも伝わりかねないと、まずは深呼吸をして心を落ち着かせた。



「ミア・スカーレット。準備は任せた」



 リヒトに呼ばれて、謎に顔が赤くなりそうになるのを堪えながら彼の元へと向かう。

 昨日の宣戦布告とも言える言葉が、ミアの頭から離れない。

 それを振り切って、用意してきた騎士と魔獣の組み合わせリストを抱きしめながら、魔獣の手綱を手渡した。



「槍使いの騎士の皆さんには、アルミラージをお願いします。俊敏性に優れていて、この子の一本角はあなたの武器をより活かしてくれるはずだから」


「分かりました」


「シュエルくんは、グリフォンをお願い。風魔法を使えるあなたと、相性はバッチリよ」


「分かった!」



 仕事が終わってから、リヒトに指示を出された相性の組み合わせリスト夜な夜な作成し、そのリスト通りにペアを作っていく。






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