へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜




 全部を知った訳では無いが、ミアが築き上げてきた関係の中でヒントはたくさん転がっていたのだ。

 好きな物同士の組み合わせや、できない何かを補う組み合わせ。


 関係を築いて知れたことは、その組み合わせを強く結びつける。

 魔獣の事もフェンリルに全て聞くのではなく、これまで空いた時間で王都の国立図書館に通ったりして、魔獣についても密かに調べ上げていた。完成したリストに書かれた組み合わせは、互いにとっていい相棒と呼べるとミアには自信があった。

 手綱を手渡した騎士達は、明らかに魔獣の瞳の奥に怯える気持ちがないことを悟り、そのまま心を通わせるために魔力を解放していく。


 大丈夫。彼らはあなた達にとって大切な相棒で、家族になる人達だから。だから……安心して心を開いて。


 祈るようにしながら、その幻想的な光景を見つめていると、遂に魔獣達は心を決めて騎士が解放する魔力に混ぜるように、自分の魔力を放った。確かめ合うように、二つの魔力がゆっくりと各々に近づいていく。









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