エレベーターから始まる恋
石岡さんは体勢はそのままでピクリとも動かなくなってしまった。
「…そう思いませんか?石岡さん」
「そ、そう…ですね」
異様な空気が流れる。
取引先でこんな発言は慎むべきだろうが…どうしても許せなかった。
人間性はこの人の方が彼女よりも遥かに劣っている。
いや、もはや比べるまでもない。
「また、よろしくお願いいたします」
笑顔で頭を下げ、フロアを後にした。
3階に向かうエレベーター内で江藤と主任から先程の発言の意図を根掘り葉掘り聞かれたが、何とか誤魔化した。
それからすぐ、彼女と接点を持つ機会ができた。
一か八かで個人の連絡先を書いた名刺を渡してみたら、彼女から連絡が来たのだ。
最初のきっかけは些細なことだった。
むしろ彼女を知るきっかけを作ってくれた石岡さんには感謝をするべきか。
こんなおじさんに一方的に好かれていて気持ち悪がられないかと、一歩踏み出すことに躊躇いもあった。
彼女にとってはたまにエレベーターで顔を合わせ挨拶する程度の存在。
だから、こうして二人で食事をしていることが、今でも夢のようだ…
-恭平side END-
「…そう思いませんか?石岡さん」
「そ、そう…ですね」
異様な空気が流れる。
取引先でこんな発言は慎むべきだろうが…どうしても許せなかった。
人間性はこの人の方が彼女よりも遥かに劣っている。
いや、もはや比べるまでもない。
「また、よろしくお願いいたします」
笑顔で頭を下げ、フロアを後にした。
3階に向かうエレベーター内で江藤と主任から先程の発言の意図を根掘り葉掘り聞かれたが、何とか誤魔化した。
それからすぐ、彼女と接点を持つ機会ができた。
一か八かで個人の連絡先を書いた名刺を渡してみたら、彼女から連絡が来たのだ。
最初のきっかけは些細なことだった。
むしろ彼女を知るきっかけを作ってくれた石岡さんには感謝をするべきか。
こんなおじさんに一方的に好かれていて気持ち悪がられないかと、一歩踏み出すことに躊躇いもあった。
彼女にとってはたまにエレベーターで顔を合わせ挨拶する程度の存在。
だから、こうして二人で食事をしていることが、今でも夢のようだ…
-恭平side END-