貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
さっき食べさせてくれと言われた私の料理が、よほどに入らなきゃいいんだけど……と思いながら画面に向かう。そして早くもネタ切れで、何を聞こうか悩んでしまった。

「あ、念のために私の情報も伝えておきましょうか?」

不意に思いつき、顔を上げると主任を見る。

「……。3月2日生まれ、O型。趣味は家庭菜園。好きな食べ物はスイーツ全般。どこか間違っているところはあるか?」

アッサリとそう言われて「いえ。何一つ間違っておりません……」と小さくなりながら返す。

「何でそんなに覚えてるんですか?」

いくらなんでも覚えすぎだと思う。だって私から、そんな話したことないのに。

「まず、毎年2月に入るとすぐ一矢達が誕生日プレゼントは何にしようかって騒ぎだす。血液型は、一矢が昔両親ともO型だと言っていた。趣味は、実樹がそんなことを話してた記憶があるからな。で、スイーツはついこの前一矢に聞かされたばかりだ」

本当に……うちの兄達はいったい何を聞かせているんだ……と溜め息が出る。

「すみません。私の話をされても楽しくないですよね。もう黙るように兄に言っておきます」

私は項垂れながらそう言う。

「そうでもない。俺には兄弟がいないからな。妹ができたような気にはなった」

主任は、少し楽しそうにそう言った。
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