貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
そして、5月最初の火曜日。お見合いドタキャン事件からの、今日はお見合い当日。
「こんな感じでどう?」
今日は家にいてくれたみー君が髪の毛をセットしてくれた。鏡に写る私は、プロにしてもらったのと遜色ない出来だ。
「ありがとう! 凄く可愛い!」
私はそう声を弾ませて答えた。もちろん、可愛いのは髪型なんだけど。着ているのは、春らしいシフォン生地の淡いオレンジのワンピース。今日のためにいっちゃんがお詫びだとプレゼントしてくれたのだ。何のお詫びかと言うと、今日付き添いできないからなんだけど。
「与織~。用意できたか?」
そう言って部屋を覗き込んだのはふう君だ。今日は先週と反対で、いっちゃんが不在でふう君とみー君が家にいる。そして、送ってくれるのはふう君だ。
「お待たせ! できたよ?」
立ち上がって扉に向かうと、ふう君はニコニコしながら「お、可愛いじゃん」と褒めてくれた。
「みー君のおかげだよ? それよりもう出たほうがいいかな?」
約束の時間は12時。今日は前とは違う、けど同じくらい高級なホテルでのランチだ。
「だな。休みで道混んでるかも知れないしな」
そう言ってふう君は自分の腕時計を確認した。
「じゃあみー君。行ってきます!」
「うん。楽しんできてね」
「あ、うん」
私はそう歯切れの悪い返事で答えた。
「こんな感じでどう?」
今日は家にいてくれたみー君が髪の毛をセットしてくれた。鏡に写る私は、プロにしてもらったのと遜色ない出来だ。
「ありがとう! 凄く可愛い!」
私はそう声を弾ませて答えた。もちろん、可愛いのは髪型なんだけど。着ているのは、春らしいシフォン生地の淡いオレンジのワンピース。今日のためにいっちゃんがお詫びだとプレゼントしてくれたのだ。何のお詫びかと言うと、今日付き添いできないからなんだけど。
「与織~。用意できたか?」
そう言って部屋を覗き込んだのはふう君だ。今日は先週と反対で、いっちゃんが不在でふう君とみー君が家にいる。そして、送ってくれるのはふう君だ。
「お待たせ! できたよ?」
立ち上がって扉に向かうと、ふう君はニコニコしながら「お、可愛いじゃん」と褒めてくれた。
「みー君のおかげだよ? それよりもう出たほうがいいかな?」
約束の時間は12時。今日は前とは違う、けど同じくらい高級なホテルでのランチだ。
「だな。休みで道混んでるかも知れないしな」
そう言ってふう君は自分の腕時計を確認した。
「じゃあみー君。行ってきます!」
「うん。楽しんできてね」
「あ、うん」
私はそう歯切れの悪い返事で答えた。