貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
2人にはお見合いのことは言っていない。だから今日私は、大学時代の友達とランチに行くと言うことになっているのだ。
それにしても、お見合いなのにいきなり2人だけでランチなんて、どうしていいのやら。
いっちゃんに愚痴ると、「まぁ、お見合いだと思わずに飯食って帰ってくればいいから」なんて返された。
でもお父さんには『相手の動向を探れ』なんて申しつけられたんだけどな、と思いながらも、私が初対面の人にスパイ活動なんて、そんな高度な技が使えるとは到底思えなかった。
「じゃあ、また迎えにくるから時間連絡してくれよな」
「うん。行ってきます」
ホテルのエントランス前で、今から友達に会うとは思えない低いテンションのまま、私はふう君と別れた。
待ち合わせのレストランは最上階。きっと見晴らしいいんだろうなぁと思いながらも気分は晴れないままだった。
「こちらでございます」
レストランの入り口で名前を告げると案内されたのは、一番奥にある個室だった。私はスタッフさんの誘導でその部屋に入る。
見るとすでに相手はきていて、背中をこちらに向けて座っている。
あれ……?
私はその背中に、物凄く見覚えしかなかった。
「ではごゆっくりお過ごしください」
案内してくれたスタッフさんはそう言うと丁寧に頭を下げ部屋を出て行った。そして私は、恐る恐るその人に近づいた。
それにしても、お見合いなのにいきなり2人だけでランチなんて、どうしていいのやら。
いっちゃんに愚痴ると、「まぁ、お見合いだと思わずに飯食って帰ってくればいいから」なんて返された。
でもお父さんには『相手の動向を探れ』なんて申しつけられたんだけどな、と思いながらも、私が初対面の人にスパイ活動なんて、そんな高度な技が使えるとは到底思えなかった。
「じゃあ、また迎えにくるから時間連絡してくれよな」
「うん。行ってきます」
ホテルのエントランス前で、今から友達に会うとは思えない低いテンションのまま、私はふう君と別れた。
待ち合わせのレストランは最上階。きっと見晴らしいいんだろうなぁと思いながらも気分は晴れないままだった。
「こちらでございます」
レストランの入り口で名前を告げると案内されたのは、一番奥にある個室だった。私はスタッフさんの誘導でその部屋に入る。
見るとすでに相手はきていて、背中をこちらに向けて座っている。
あれ……?
私はその背中に、物凄く見覚えしかなかった。
「ではごゆっくりお過ごしください」
案内してくれたスタッフさんはそう言うと丁寧に頭を下げ部屋を出て行った。そして私は、恐る恐るその人に近づいた。