島津くんしっかりしてください
「……何?」



「誠も一緒にやること」



「……」








そう来たか……。






さてはこれが目的で調理に手を挙げたな。






内心うんざりしつつ、にこにこと笑いかけた。






「私? どうして?」



「だって誠は美少女だしー普段メイクとかしないっしょ? みんなでいじくりまわしたいなーって!」






いじくりまわすて……。








誰がその意見に賛成するのよ。



誰も賛成するわけないでしょ。







何て高をくくっていたら。









「あの……私、真見さんにメイクしたいです」






恐る恐る、と言った様子で手を挙げたクラスメイトの女の子。






「え」



虚をつかれて目を見開く。









< 158 / 372 >

この作品をシェア

pagetop