島津くんしっかりしてください

2,お世話になります

それから私は島津くんを避け始めた。






いや、そもそも島津くんに私と話す気があるのかは知らないけど、無駄に話して巻き込まれるのはごめんだし。






「誠ー。今日遊びに行かない? 琴音ちゃんもつれて!」



「あー……ごめん。今日バイトのシフト入ってて……また今度誘って!」



「りょーかい。じゃあバイト頑張れ!」



「うん! ばいばい」






加奈子にそう返し、すぐに教室を出た。






急がないと……また、待たせちゃうから。






早歩きで学校を出て、目的地へと向かう。









向かった先は、保育所。






ガラッと引き戸を開けると、中にいた子供たちと先生がこちらを一斉に見た。






「すみません。真見誠です。真見琴音のお迎えに来ました」



「あら~誠ちゃん、来てくれたのね~。琴音ちゃん、お姉ちゃん来てくれたわよ~」



「まこちゃん!」






奥からぱたぱたと小さな足音がして、ぎゅっと抱き着かれる。






「琴音」






名前を呼ぶと琴音はにこにこと機嫌のよさそうな顔をこちらへ向けた。







「どうしたの? 琴音。何かあったの?」



「ううん! 何にもなかったよー! まこちゃんが早くむかえにきてくれて嬉しかったのー!」






なにこのかわいい存在。妹だったわ。






琴音の無邪気なエンジェルスマイルに当てられて、心臓を撃ち抜かれた。






琴音と手をつないで保育所を出る。









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