クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
誰かを呼ぶその声は、どこか聞き覚えがあった。


「あ、私お兄ちゃんのところに行かないとだから、帰るね!ありがとうお姫様!」

「ふふっ、じゃあね〜」


手を振って、女の子を見送った。


……ん?お姫様?


私のこと……だよね。


ふふっ、嬉しいなぁ。


喜びに浸っていると……。


ドンッ!と誰かに足をぶつけられた。


「きゃっ!」

「えっ?」


バタンッと音がして、すぐそばにいる女性が転んだのだ。


「だ、大丈夫ですかっ……!?」


慌てて女性に駆け寄った。


その瞬間……心なしか、ギロッと睨みつけられたような気がした。


気のせい……だよね?


ドクドクと心臓が嫌な音を鳴らす。

ザワザワと辺りも騒ぎ初めて。


「美都様!いくら久宝家に入るからとは言えこれはひどいです!」

「……えっ……?」


わ、たし……?



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