クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「もう見つけたの?『奏』は」

「……へっ?」


かな、で……?


「ん?ああ呼び捨て?ごめんなさい、奏は私の後輩なの」

「そ、そうなんですね……」


……なんだか、モヤモヤする……。


「……私、奏くんを見つけないといけないので」


にっこりと無理やり作った苦笑いを浮かべて、私は走り出した。



……奏くん……あの人のことはあんまり考えないでおこう、悪いことしか浮かばなくなっちゃいそうだから。


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