ほどけるいと。
「だれ?」



5人の中でも仲がいい卯田が,チラリと反応する。



「あ,俺」



俺はチラッと取り出したスマホに目を向けて,それがLI⚪Eであることを音と光で確認した。



「見ないの?」



1人が別にいいのにと俺に言う。



「多分緊急じゃないから」



俺は答えた。

俺にLI⚪Eなんて,他のクラスの男子が何かの誘いをしてきたか,母親のお使いか,琴音くらいだから。

なんにせよ後で返そうと,俺は深く考えずにスマホをポケットにしまった。



「そんでよ~」

「それさっき聞いたんだけど」



そしてまた,輪に戻る。

彼女がいて,友達が日々増えて,安定のメンバーも毎年出来つつある。

俺の高校生活は,人生で一番充実したものだった。
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