ほどけるいと。

…ばいばい

もう,あの日々には戻れない。

もう,話せもしない。

琴音が物理的に遠くに行ってしまったことで。

そして何より,自分のせいで。



「琴音…」



朝目覚めると,時計の針は5時を指していた。

はや…

そう外の眩しさに目を擦るものの,もう珍しいことでもない。

何度眠っても,変わらず琴音を思い出すから。

スマホに着けていたミサンガは,色褪せはしても切れることがない。

かと言って,自分で切ることも出来ない。

それはそのまま,琴音に未練がある証拠。

写真だって,結局1枚たりとも消せなかった。

何度も開いては,不甲斐なさに泣きそうになる。

もしかしたら,時間が解決してくれるかもしれないと思ったりもしたけど。

この気持ちが無くなることを期待したけど。

そう思ってもう,どれだけ経った?

< 159 / 248 >

この作品をシェア

pagetop