ほどけるいと。

茉莉の世界

君との幸せ 茉莉ver


~高1~

初めて流雨くんを見た時,私は『格好いい』としか思っていなかった。

他の女の子や琴音さんが,世間話として同じことを話していても,『だよね』と共感するばかり。

私は俳優やアイドルが好き。

格好いい男の人は眼福。

そのミーハー心を最大限に,私はクラスに溶け込んでいた。

推し,とでも言うのかな。

恋愛的な意味はない。

顔が好きで,声が好き。

だけど,私は話しかけたいとは思わない。

そうゆう部類のファンだった。

同じように,もしくは別の理由で。

私のように,密かにはしゃぐ女の子は,クラスメートにもいた。

最初は,琴音さんも同じだったように思う。

……私も,ずっとそうだと思ってた。
< 187 / 248 >

この作品をシェア

pagetop