ほどけるいと。
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進学とか,大学とか。

受験も割りとすごく頑張って,緊張して受けて,合格して。

でもどこか現実味がなくて,春からの自分のイメージは,ふんわりとしていた。

でもそうも言ってられないくらい,近付いてきて,ドキドキし始めた今日この頃。



「やまと」



私は困ったように,笑って見せた。

やまとはそれもいくらか承知のように,にかっと笑い返す。



「時間もらって,ごめん」



用件は,痛いほど分かっていた。



「好きだ」

「……ごめん」

「どうしても?」

「うん」



だって。

私は別に,やまとの事が好きな訳じゃない。

なのに,付き合ったって続くわけがない。

お互い気まずくなって,別れるだけ。
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