ほどけるいと。

私だけ，特別

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「痛っ？！」



紙で，手が，切れた。

とても痛いやつである。

私が喉から悲鳴のような声をあげると，まず里美(さとみ)が顔をあげた。



「里桜？」



里美はオンラインのテレビゲームをしていたのに，コントローラーを放って私のところに来てくれた。



「どうせ怪我でもしたんだろ」

「そんな事は分かってるよ」



興味無さそうにあくびをする真鈴(まりん)に，里美はぐちぐち言いながらも，ポケットから絆創膏を出す。



「里桜，大丈夫？　痛い？」

「痛い～」



だけど，ペタリと貼られた絆創膏に，痛くないような気もしてきた。

ここは真鈴の家。

その2階にある，真鈴の部屋。

昔から変わらず，私達の大事な場所。

変わったことと言えば，私がツインテールを高い位置で結うのを辞めたくらい。