ほどけるいと。
十数年。

それは大人からしたら,きっと大きな数字。

私達が思っているよりも。

だから,電話番号を変えないでとちっちゃな私達が言っていたところで,もう繋がらない可能性もある。

本気に思ってなかった可能性だって,充分にある。

琴音ちゃんは,私達の連絡なんて待って無いかもしれない。

でも…

もう一度話したい。

それに,歳は聞かなかったけど,多分琴音ちゃんは今30手前くらい。



「真鈴は特に今じゃないと!」

「まぁ,いいけど」

「うん…」

「何怖じけずいてんの,2人とも! いいじゃん,覚えてくれてなくても。電話は私がかけるからね,同性の方が怪しまれないし,怖がられないと思うの」
< 239 / 248 >

この作品をシェア

pagetop