結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
 コテンと首を傾げたソフィアをアルベルトは耳元を赤くしながら見下ろした。そっとスケッチブックを元の位置に戻すと、やはりそこには人の顔が描かれている。

「これも、世界の真理……、いや知恵、かな」
「えっ、これって」

 ソフィアに似た髪型の女性の、正面を向いた顔と横顔が粗く描かれている。

「もしかして、私?」
「もしかしなくても、ソフィアさんだよ。ソフィアって、知恵とか叡智っていう意味だよね」

 いたずらを成功させた男の子が勝ち誇って笑うように、アルベルトが笑っている。その姿を見てソフィアは思いっきり顔を赤らめてしまった。

「昨日、とても可愛らしい女性を見たからには、どうしても描き留めておきたくて。って、ダメだった?」
「……、ダメじゃない」
「よかった」

 アルベルトも少し緊張していたのか、ホッとした顔をするとソフィアに思いがけない提案をした。

「もう少し君をスケッチさせてもらっても、いいかな?」
「え、私?」
「そう」
「……っ、うん」

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