結ばれないはずが、一途な彼に愛を貫かれました ~裏切りと再会のシークレット・ベビー・ラブ~
 翌朝、ミリーが知人の家から帰って来た時には既にアルベルトは肖像画を持って帰っていった。さすがに昨夜のことを伝えるわけにはいかず、ソフィアは浮き立つ心を抑えつつ残りの休暇を過ごすことになる。

 いつもと様子の違うソフィアに、ミリーは何かを感じたようだが問い詰めることはしなかった。

 毎日姿を表していたアルベルトが来なくなり、三日も経つとソフィアは一日のうち何度もため息をつくようになる。それはまさしく、恋する乙女の姿だった。

「ソフィアお嬢さま、男爵さまからお手紙が届いております」
「ありがとう、そこに置いておいて」

 ソフィアはミリーが部屋からでていくと、手紙の封を開ける。そこには秋の社交界シーズンの始まる前に帰ってくるようにと、書かれていた。

「そろそろ王都に帰らないとね」

 アルベルトを待つ、と言ったからにはここで待っていたいけれど、父親に逆らうことはできない。彼も王都に戻ると言っていたから、王都に帰る方が会えるかもしれない。

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