星空
*プロローグ*
「ねぇねぇ、優夜?」


「…ん」


微かに声を上げた大好きな優夜。


あたし、優美が片想いをする幼なじみ。


「…あたしね、転校するんだー」


まだ風が冷たい春の季節。


屋上で寝そべっている優夜は、飛び起きた。


「え…!!?」


あたしは、苦笑いをするしかなかった。


「…だ…だって、まだ中2になったばっかり…。
そ…それなのに?」


優夜は、明らかにおかしかった。


「うん。お父さんの仕事の都合なの………」


「そっかあー…お前の親父さん社長になったんだよなー。
いいよな…金持ちって」


「…うん、会社が遠いから…。
でも、すっごく大きなビルなのっ」


あたしは、思わず聞いてしまった。
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