姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
(ジャネットside)

フレデリックに引き摺られるようにして馬車の中に押し込まれる。
それでもウェンディが歩いて行った店から視線を逸らす事が出来ずに睨み付けていた。


「あの店……ッ!!」

「あの店は王族御用達の……とても俺達が手が出る場所じゃないだろう?」

「………………」


(どうしてウェンディはあの王族御用達のドレスショップに入れるのに、わたくしはいつも買っているドレスすら買えないの!?あの店だけは、わたくしも……わたくしだって今まで一度も入った事はないのにッ!!なんで!?ウェンディが!?有り得ないッ!!)

こんなにお願いをしているのに、ドレスショップに行くのを嫌がるフレデリックの頭の固さにうんざりとしていた。
それに地味なドレスを持ってきては「今回はこれでいいかな?」と言ってくるのだ。
その間抜けな顔をぶん殴ってやろうと思った。

ウェンディが今まで地味だったのは自分でドレスを選んでいるからだと思っていたが、恐らくこの馬鹿な男が勝手にドレスを選んでいただけなのだろう。

(……我慢ばかりして、馬鹿みたい)

新しいドレスを買い渋り、文句ばかり言っているフレデリックの事が嫌で嫌で仕方なかった。

(普通に考えて、婚約者が美しかったら嬉しいでしょう!?なのにどうして下らない事ばかり言って金を出し渋るの!?)

ウェンディからフレデリックを奪えば自分も幸せになれる筈だった。
焦りから解放されて笑顔溢れる生活を送れると思っていた。
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