何もかも奪われた純白の聖女は全てを破壊する
プラインの育ての親を紹介されて、魔族の仲間になった経緯を聞かされた時に初めて、プラインの言葉や態度の理由が分かったのだった。


「怖くないのですか?」

「貴方は一体、何をそんなに怖がっているの?」

「僕は……また一人になるのが怖いんです」

「そう」

「っ、サラ様は一人になるのが怖くないんですか…?」

「……」

「魔族にも人間にもなりきれない僕は結局、中途半端な存在なんです!だからいつも不安で…!」

「居場所なんて不安定なものに縋って何になるの…?」

「え……?」

「いつ崩れるか分からないものに怯えてばかりいないで、貴方は一人で立った方がいいわ」

「一人で、立つ……?」

「貴方が捨てられたという事実は変わらない………そして、裏切られる事実もね」


プラインは激しい怒りを感じてか口をつぐんだ。


「っ…」

「永遠なんてないわ……変わらないものなんてない」


自分に言い聞かせるように呟いた。
< 89 / 239 >

この作品をシェア

pagetop