【短編】保健室の常連客

お世話に加えて、家事のお手伝いまでしているって、本当偉すぎ。

これが祖父母孝行……私も見習わなきゃな。



「広川くん、将来立派な料理人になれそうね! あと主夫にもなれそう!」

「主夫ですか? 俺そんなに家事できないですよ。家散らかってますし」



すると、私達を静かに見守っていた先生が話に入ってきた。



「そこは奥さんと助け合えばいいのよ! ねぇ恵理ちゃん」

「そうですね。人間、得意不得意ありますし。私だったら、お弁当作ってもらえるだけでも嬉しいです」



返答しながら、想像を巡らせる。


主夫か……似合いそう。
去年家庭科でお昼ご飯作った時、エプロン姿様になってたもんな。



「愛妻ならぬ、愛夫弁当ね!」

「はい。きっと食欲も復活すると思います」



最近は暑さにやられて食べる量が減ってたけど、広川くんの料理ならいくらでも食べられそう。

結婚したら、本当に作ってくれたりして。



「……なるほど。それなら、桧村さんと相性ピッタリかもな」
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