Rain shadow─偽りのレヴェル─

お転婆なお姫様





「おうおう、やっとお出ましか」


「ずいぶん遅ぇから逃げて来ねぇかと思ったぜ」



いいえ、ほんとうはずっと屋上のドアの前で待機してました。

どう話を切り出そうかと作戦を練っていて、なんにも思い付かないまま時間だけが過ぎていくことに耐えられなくなって今だ。


そこには3年と思われる男が3人立っていた。


さすがに全校生徒みんなと友達ってわけではないから、4グループのどこに所属しているのかすら把握できていない。

けれどわたしはたったひとり、水本 爽雨として呼び出された屋上にて向かい合った。



「みんな、ここでひとつ提案がある」


「提案だあ?」


「いい提案なんだ。どちらも痛い目見なくて済むし、お互いが望む関係になれると思う」



落ち着いて、落ち着くのわたし。

ここで怯えている素振りを1度でも見せてしまえば相手を調子に乗らせるだけ。



「んなら、俺たちがなんでお前を呼び出したのか知ってんのかよ?」


「…僕が気に入らないんだろう」


「そんな小せぇことじゃねぇ。俺たちもRain shadowの幹部になりてぇんだよ、だから久遠さんに話をつけろ」



さすがに首を縦には振れなかった。



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