若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
離婚しろという脅し、そして美夕の父に冤罪を着せたことについて、ケリをつけられるだけの確証が、慶にはあるのだろうか――。

いずれにせよ、これ以上は避けて通ることができない。

「美夕。一緒に戦ってくれるか? ふたりの――いや、三人の未来のために」

美夕はこくりと頷いて、お腹に手を当てる。

「もちろん」

たとえどんな妨害を受けようとも、お腹の子とともに夫を信じてついていくのみだ。そう意志を固めた。



社長に事情を説明し、しばらくは出社せず、ホテルからリモートで仕事をすることになった。

慶は生活に必要なものをすべてホテルに取り寄せ、寝室のひとつを簡易オフィスに作り変える。

リビングのソファで、取り寄せてもらったノンカフェインコーヒーを飲んで休憩していると、慶が気遣わしげに尋ねてきた。

「ほかに欲しいものは? 服でもパソコンでも、必要なものは持ってこさせる」

「そんなにいらないわ。充分よ」

「椅子は合っているか? 腹部に負担のかからないオフィスチェアを取り寄せようか」

「大丈夫。これだって充分いい椅子よ。スイートルームに置いてあるくらいだもの」

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