若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
ひと言、愛をささやいては、ひとつキスを落とす。

慶の手は愛する人を求め、さ迷うように、体のラインを辿っていく。

「ずっと見ているよ、お前だけを。書面で契約を交わしたあの日から、俺の心はお前のものだ」

婚姻届けのサインなんて、当時の美夕にしてみれば、テストの答案に名前を書くのと同じだった。

夫婦が向き合って、示し合わせてサインをしたわけではない。慶のサインの入った紙に、自分の名前を書いただけ。

だが、今さらになってその署名は、重たい意味を持ちふたりを固く結びつけている。

「お前は気づかなかっただろうが、俺はずっと――」

激しい欲情に身を任せながらも、慶の告白に涙が滲む。

こんなにも愛されていたのに、疑ってばかりでなにも気づかない自分は、なんと愚かだったのだろう。

「ありがとう。大事に大事に守ってくれて。私を妻にしてくれて」

慶はキスを止め、美夕の目もとを指先で拭う。

「……ベッドへ行こう。ここでお前を抱くにはもったいない」

ふたりが愛を交わすのに、簡素なウッドチェアではあんまりだ。慶は美夕を抱き室内に向かう。

たくさんある寝室のひとつに足を運び、濡れた体のまま、ふかふかの大きなベッドに沈み込む。

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