きっと、恋をしている

第2章

あれから数日が経った。
あの後、私は涼子のもとへ戻ると、涼子は心配そうな顔で慌てていた。
私が事情を説明すると少し安心したようだった。
そして、あれからあの先輩とは顔を合わせること無く数日が過ぎていった。

「あー次体育だー。だるいねー」

授業が終わるチャイムと私の席へ来た涼子がそう言った。

「だね。早く着替えなきゃ」

私はその数日、先輩のことを少し考えていた。
栗色の目、真っ黒な髪、少し怖そうな顔とは裏腹に、少年のように笑うあの笑顔。
なぜか頭から離れないでいた。

…って、なんで私あの先輩のこと考えてんだろ。あんな先輩どうだっていいんだよ!私が考えたい人はあの人だけなんだから!

私は心の中でそう言いながら、好きな人の顔を思い浮かべて、先輩のことを頭から消すようにした。
体操着に着替えてグラウンドに出ると、数人の男の子たちがグラウンドで野球をして遊んでいた。
その中から私はすぐにあの先輩がいることに気付いた。

…あ、あの先輩だ。

そう思った瞬間、私は先輩と目が合った。
すると先輩も私に気付いたようだった。

「ハル、こっちおいでー」

そう言って先輩は“あの時”のようにまた私に手招きをして呼んだ。
他に一緒にいた先輩の周りの男の子たちがいっせいにこちらに注目する。

「だれハルって」
「どっち背の高い方?」

口々に質問が遠目からでも聞こえて来る。
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