スキナダケ
ハナはベッドから立ち上がって、クローゼットの扉を開けた。

「夕海、コレ全部あげるよ」

「え?」

「ハナはもう着ないから」

「なんで?もったいない」

「ううん。だってほら、ハナはもう着れないでしょ」

腕を広げて見せたら夕海はクスクス笑った。

「そうね。身長とか肩幅に、もう合わないかも。ここに来た日よりほんとに身長伸びたね」

「うん。だからもう…」

「だったら今から新しいの買いに行こうよ!」

「もう女の子の服は着ない」

「…なんで?」

「ハナは…僕は、男だから」

「急に僕なんて言わないでよ。おかしー」

「僕は僕だよ…。夕海だってほんとは分かってるんでしょ。もう可愛いハナちゃんじゃいられない。声変わりだってもうすぐ落ち着くし、ただの男になるんだよ。だから子どもが欲しいなんて言ったんだよね?夕海は僕じゃなくて、可愛い男の子が…」

バサッて音がして、夕海が持ってた雑誌をハナに投げつけた。

全然痛くなんてないけど、心がチクってした。
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