スキナダケ
次の日の、また日付が変わりそうな頃にお父さんは帰宅した。

お酒は呑んでないみたいだった。
機嫌は特別いいわけでもないし、悪そうでもない。

「お前なんか食ってんのか?」

「うん。いつも適当に食べてるよ」

「明日学校だろ。何してんだよ」

急に親みたいなことを言い出すお父さんにちょっと笑ってしまった。

帰宅すらまともにしないし、ハナが何をしてても気に留めないのに、急に学校のことなんて普通の親みたいなことを言い出すからクスクス笑ってたら、何笑ってんだよって小突かれた。

「ごめん。別になんでもないよ。明日はさ、学校休むから」

「なんで?」

「ちょっとしなきゃいけないことあって」

「あ?しなきゃいけないこと?お前またなんか企んでんじゃねぇだろうな」

お父さんはめんどくさそうに頭を掻いた。

ソファに座ってたハナの前に、しゃがんであぐらをかいている。

今はハナのほうが身長が高くなったし、お父さんが座ってるとますます小さく見える。

ハナの汚れを全部始末してくれた人。
ママがお父さんと再婚しなければ、ハナもこういう道を選ばなかったかもしれないけれど、お父さんには感謝してる。

嫌な感謝だな。

やっぱりハナは、産まれた瞬間から間違ってたんだ。
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