再び、光が差す-again-〈下〉
「カオルは、アイツのこと怖くねぇのかよ」

「怖い?綺月のことがか?」


海斗の言いたいことは分かる。

なんでも見透かしそうなあの目も、自分の痛い部分へとゆっくりと確実に誘導していく感じが海斗には怖いのだろう。

俺は、腑抜けた顔をした海斗の顔に鼻で笑った。


「綺月の方が怖いと思ってるぞ」

「…そうは見えねぇけど」

「頑丈な壁作った奴に踏み込むのは、お前が思っているよりも何倍も怖い」


拒絶されたら、事態がもっと悪い方へ進んだら、更に相手を傷つけてしまったら。

だったら、このままでいいのではないか。

そうやって、周りにいた人間はみんな見ないふりをする。

でも、綺月は違う。

綺月がそうしないのは、見ないふりをしたことで壊してしまったものがあるからだ。


「だから、綺月は常に考えている。
相手の良いところも悪いところも、強みも弱点も、何を言われたら傷ついて、何を言ったら笑ってくれるのか、ずっと考えてる」


時々心配になる程思い詰めて考える時があった。

だけど、綺月にとってはそれが通常運転だから、考えるのを止めろとは言えない。
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