プレゼントは君がいい

“明日何時に迎えに行く？”


“どーも社畜です”


“え、もしかしてまだ仕事してるの？”


“残業なう”


“定時17時だよね！？”


“定時って何だっけ”


“せっかく金曜日なのに”


“金曜日って無限に残業出来る日だっけ？”


“いいから終わったら連絡して。駅まで行くから”





午後10時過ぎ。


迎えに行くつもりだったけどそのまま泊めてね、というメッセージを確認して再びパソコンと向き合った。



本当なら今日は同期会だったのだ。


何年経っても若手扱いのこの会社では、若いうちは働いてなんぼだと管理職は口を揃える。

残業なんて当たり前。
華金？せっかくの金曜日なんだから明日なんか気にせず働けていいでしょ？なんて何の疑問も持たない表情の上司の下で働いていれば、それに疑問を抱いた新入社員がボロボロと辞めていくのは必然で。


そんな中でもこれが社会なのだと言い聞かせ、しがみついているうちにタイミングを失い、結果生き残ったたった数名の同期。