プレゼントは君がいい
……久しぶりに会えるチャンスだったのにな。
午後7時を回った時点で、もう諦めはついていた。
早々に“今日無理かも”とグループメールにメッセージを送ると、“りょーかい”とだけ返事が来た。
なんとも物分りのいい、同じ境遇の仲間たち。
それから1時間かけて仕事を終わらせ、家についたのはぎりぎり日を跨ぐ前だった。
「この道さ、結構暗いよね」
「うん、人通りも少ないから後ろに人いると無駄に警戒しちゃう」
「それが正解だよ、ほんと気をつけてよ」
何かあったら遅いんだからさ、と呟くのはかれこれ3年付き合っている私の彼氏。
明日の土曜日はどこかに出掛けようと予定をしている。本来なら今日からお泊まりをしたかったが、同期会があった私の予定に合わせ、明日迎えに来てくれるはずだった。
私の同期会が無くなったと知って、わざわざ私の駅まで迎えに来てくれる彼。
優しくて、大好きな彼。