プレゼントは君がいい


「あーー疲れた。家最高だね」


「手洗っておいで。先シャワー浴びる?ご飯食べたい?」


「……それ私が言うべきセリフだよね」


「仕事疲れてるんだからいいでしょ。とりあえずご飯用意しよっか」



手作りじゃなくてごめんねー、と帰り道に買ったお惣菜をテーブルに並べる彼氏を見ていると、私より良い奥さんになりそうで不安になる。

それを当たり前のように受け止める自分もどうかと思うけれど、しょうがない、もう体が悲鳴を上げているのだ。



きっと、もう夜ご飯は済ませているのだろう。


私だけが箸を進ませ、その姿を彼が頬杖をついて見つめる。



「……なんか食べづらい」


「え?ごめん、なんか一生懸命食べてるのって可愛くてすごい見ちゃう」


「ペットへの愛情とちょっと似てるね」



私の言葉を聞いて、クスクスと笑う彼を見ていると、なんだか今日の疲れが抜けてくる。

なんだろう、この感覚。

この3年間、たくさん味わった確かな愛情。



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