排球の女王様~全てを私に捧げなさい! 第二章

 *

 全てが終わり東京体育館を出ると、エントランス前に鳳凰学園の選手達が集まっていた。その中でも赤髪で大きな体躯の竹田豪は目立っていた。明らかに回りとは違うオーラを放つ豪の回りには、今だに涙を流している選手達もいた。良く見れば豪の目元も赤くなっていた。そんな鳳凰の選手達に挨拶をした方が良いのか躊躇していると、私達に気づいた豪の方からこちらにやって来てくれた。

「よう大崎、今回は負けたが次は負けない。大学の試合でまた会おう。莉愛その時、大崎と別れていたら俺の所に来い」

「誰が別れるか!」

 珍しく大地が声を荒げた。

「未来は分からないだろう?」

 最後の最後までこの二人は……。

 睨み合う二人の間に莉愛が割って入る。

「竹田さん、私のどこがそんなに良いんですか?私なんかより可愛い女の子が沢山いるでしょう?」

 竹田は少し黙ってから、話し出した。

「俺はこんな見た目だ。デカくて、目つきの悪い男に話しかけて来る女子などそういない。皆怖がって逃げ出す……でも莉愛は違った」


 へ……?

 それだけ?

 私が怖がらなかったから?


「竹田さん、そんな女子そこら変に沢山いますよ?」

「沢山なんているわけ無いだろう」

 莉愛の言葉に豪が、あからさまに顔をしかめ、低い声を出したそのとき、理花と美奈がやって来た。二人の首には今やトレードマークとなった赤いメガホンが下げられていた。

「あれー?その人鳳凰学園の竹田くんじゃない?」

「ホントだー。竹田くん負けちゃったけどすごかったねー」

 そう言って二人は豪の前に立ち、ゆっくりと見上げた。

「うわー。観客席から見てた時も大きいと思ったけど、近くに来ると本当に大きい。196センチだっけ?」

「ホントだー。首痛くなる。わー!美奈見てみて、この手」

 理花が無理矢理に豪の手を取ると、自分の手と重ねて見せた。

「手もめちゃくちゃ大きい。この大きい手でスパイク打つんだ……。すっごく強烈だったもんね」

 怖がる様子も無く、豪に話しかける二人に、されるがまま固まっていた豪だったが、美奈の声で我に返りたじろいだ。

「竹田くん、ちょっと私の事を抱き上げてみて」

 手を広げて美奈が抱っこをせがんだ。

「えっ……ちょっ……それは……」

「いいじゃん。ほら」

 竹田は美奈に言われるがまま、美奈の脇の下に手を差し入れると、子供を高い高いするように上に上げた。

 すると……。

「キャーー!すごい。高いーー!」

 嬉しそうな声を上げた美奈を見て、理花が目を輝かせた。

「次、私も抱っこ!」

 美奈を降ろした豪に今度は理花が高い高いをせがんだ。そして、理花に言われるがまま高く上げた。

「キャーー!すごい。背の高い人の目線て、こんな感じなんだ。羨ましい」

 自分の目の前で楽しそうにハシャグ二人に豪は困惑した。

「おい!群馬の女達は皆こんな感じなのか?俺が怖くないのか?」

 理花と美奈はそんな豪の言葉に、キョトンとしてから顔を見合わせた。

「あはは……。群馬の女性はかかあ天下って言って、働き者で強くて格好いい人が多いんだよー」

「そう、上州名物かかあ天下と、からっ風て言うし。群馬の女性は強いだけじゃ無いけどね」

 そう言って二人はニッと笑った。そんな二人の話を豪は黙って聞きながら呟いた。

「群馬は良い所なんだな」

 豪の言葉に理花と美奈が大きく頷いた。

「「うん!」」

「群馬は良いところだよ」

「良かったら今度、遊びにおいでよ」

 無邪気に自分に笑顔を向ける二人に、豪は困った様な笑顔を向けた。


「ねえ、最後に皆で写真撮ろうよ」

「いいね。ほら、狼栄の皆、鳳凰学園の人達も集まってー!」

 理花と美奈のかけ声に皆が集まってくる。


「さあ、行くよ。はい、チーズ」


『カシャ』



 
    * fin *















































































































































































































































































 












xからのちょうせん













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