flying dolphin
いつも朝の通学時間では ほぼほぼ毎日、
帰宅時間なら たまたま重なれば同じバスで、

それぞれだいたい同じ車内の定位置に居て同じ空間で同じ空気を吸っていても 一度も話したことは無かった2人が

同じバスで2年目が始まった頃 まさか2人で仲良く並んで帰るなんてことを誰も予想すらしなかった。

紬(ねえ、そういえば助けに来てくれた時、わたしに寧々って言ったけど何? 寧々って 誰?)

ヒロ(あ、あれ あれは うちのばあちゃんの名前! 咄嗟に浮かんだのが ばあちゃんだったの(笑)

紬(おばあちゃんの名前って!!)

( 咄嗟に思い出す おばあちゃんって素敵な人なんだね!)

(でも 幸子とか もっと今時な名前でも良かったんじゃないの?)

ヒロ(え!!?幸子って今時なの!?)

(ぷっ!) (ハハハハハハ)
2人は また笑いに包まれた。

バスのアナウンスが流れる。
(次は〜渚〜渚〜!渚海岸、渚ビーチに御用のお方は〜 )

(ビー)ブザーが押された。

ここで ヒロは下車する為 紬とはお別れ。

ヒロの今日のあまりにも刺激的で夢のような時間は別れの時を迎えた。

ヒロ(じゃあ!また)

紬(うん!バイバイ!今日はありがとう!)

バスから降りても 2人はお互いが見えなくなるまで手を振っていた。
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