flying dolphin

shine memory6

暁色(あかつきいろ)のフライングドルフィン〜

ありがとございました〜!

カランコロン コロンカラン♪ドア鈴が鳴り
最後のお客さんが出て行った。

萌華(もか)の今日の仕事は終わり。

お見送りをした後 萌華は薄暗くなり始めた空の一番星を見上げた。

今日で萌華の父親 有栖戎(ありすかい)があの世に旅立って13年が経つ。

萌華が5歳の時に戒は抗争に巻き込まれ命を落とした。

13年前。
有栖戎は いつも彦名猛(ひこなたける)と共に兄貴分の東堂炎(とうどうほむら)湊組(みなとぐみ)(アキラの父親)の下に支えられ支え生きていた。


この当時、湊組と秦檜組(しんかいぐみ)との抗争は日に日に激しさを増していった。

ベンツの後部座席から炎は言った
(おい、有栖、お前の娘 いくつになった?)

有栖(はい!確か、今月で5歳になりました)

炎(そうか・・・5歳か。)

(お前 そろそろ堅気になって あの茶店だけに専念したらどうだ?)

(もう 俺の下で 命張ってても しょうがねぇだろ。)

(彦名!お前も そろそろ考えておいた方がいいぞ!)

(この世界も そのうち苦しくなり始めるぜ!その時の事も考えてよ、おかねぇとな。)

(俺がお前達の上に居るから こんな話しができるんだぜ!!)

有栖、彦名(ハ、ハァイ(汗)

有栖(そ、そうっすね〜。しかし 俺達ゃぁ兄貴とだからこそ今日まで極道やってこれた訳ですし 兄貴となら死ねるって いつでも思って腹括って生きて きてるつもりなんすよ!)

炎(バカヤロォ!!オメェ達!そんな思考は古いんだよ!! だいたい有栖!!お前〜 子供は娘なんだろ!?娘 かわいくねぇのか?)

有栖(そ、そうっすねぇ、、そりゃあ 可愛くないって言ったら嘘になりやす。)

炎(だろうが!! だったら そろそろ しっかりと 育ててやれよ!)

こんな会話をしているうちに車は組事務所(マンションの地下駐車場)に着いた。
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