義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
 顔色が優れないのに、車いすに乗ってわざわざ私を出迎えるために屋敷の外で待っていてくださったのだ。
 もう、それだけで私はすぐに辺境伯様のことが大好きになった。年は離れているけれども、夫婦として上手くやっていけるかもしれない……。
「……君を迎えられて嬉しいよ。私のことは、父親だとでも思ってくれ。私もシャリアを娘だと思うことにするよ」
「え?でも、私……その……」
 後妻として来たはずなのに……。
「この通り、私は夫としての役目は果たせないからね。シャリア……君は、伯爵家で女主人として屋敷を取り仕切り、小さな義弟妹の世話をしてきたと聞いている。どうか、辺境伯家でも同じように過ごしてくれないか?」
 屋敷に入ると、正面に立っている侍女の足元から、ひょいと小さな顔がのぞいた。
「ほら、リードル、エリエッタ、お前たちの母親になるシャリアだよ。挨拶をしなさい」
 二人のお子様がいるというのは聞いていた。5歳のリードルと、3歳のエリエッタ。
 金の髪に紫の瞳。整った顔立ちでまるで天使のような二人。
「エリエッタの、おかぁたま?」
 エリエッタがぱぁっと嬉しそうな顔をした。可愛すぎる。
「辺境伯様、あの、私……ありがとうございます……私、母親になれるのですね?」
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