掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……ごめん…怖がらせたか…」

「それだけ?」

「……は?」

「……もういい…」

え……拗ねてる?
いや、これ、本当に証明していいのか?

「……わ、わかった。
環が嫌だって言ったらいつでもやめるから…」

そう言って俺は再びキスをした。
今度は明らかに違うキスを…

「んんっ」

本当にいいのだろうか。
俺の欲しいものはここにある。
ずっと好きだった。
でも、一生手に入ることはないと思っていた……。

一瞬……ほんの一瞬、魔が差した。

今なら、環が俺のものになるかも……と。

「……好きだ。環が好きだ」

「んん、あ……淳く…ん 」

環が俺を見上げる。
赤く染った頬。潤んだ目。そこには情欲が見て取れた。
ドクン、と心臓が音を立てた。

このまま手に入れてしまえ!

俺の中で俺の形をした悪魔が囁く……。
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