掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

不慣れな二人の反省会

初めて淳之介に抱かれた日のことは今でも覚えている。

私がワガママを言って、無理やり抱いてもらったのだ。

にもかかわらず、淳之介は私を大切に大切に扱ってくれた。


◇◇


あの日、コトが終わった後、私は淳之介の腕の中で目覚めた。

熱いくらいの体温。
意外なくらい鍛えられた硬い上半身。
私を大事そうに抱きしめる腕。

全部覚えている。

愛されているのだと、勘違いしそうになるくらい、淳之介は優しかった。

こんなに優しい人を、私は利用してしまった。

拓郎を忘れるために…
初恋に終止符を打つために…

申し訳なくて、また涙が溢れ出した。

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