掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
本当にいた
翌日、初診なので並ぶだろうと、朝9時に青木マタニティクリニックを受診した。

しかし、土曜の午前中はやはりとても混んでいて、案内されたのは2時間ほど待ってからの事だった。

「朝倉さん?
市販の検査薬は陽性だったのね?
じゃあちょっと見ていきますねー。
力抜いてください」

ドキドキした。
内診台に上がるのは初めてだ。
ちょっと怖いけど、それよりもまだ見ぬ赤ちゃんの存在をただただ確かめたくて、先生の言葉をひたすら待った。

「あ、見えますね。
ここが子宮で、この丸いのが赤ちゃんのいる袋ね。
この中でチカチカ動いでるのがわかるかしら?」

「は、はい!」

「ちょっと待ってね…」

そう言って女医さんが機械を操作すると、ドドドドド……という音が聞こえてきた。

「ちゃんと心音も確認できるわね」

心音! これ心臓なんだ!
そう思っている間に、先生はどんどん機械を操作していく。
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