掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
まさかこんな展開になるとは思ってもみなくて、不覚にも込み上げるものがあった。

環はまた泣いている。

「……やっと言えた。
……それにしても、環は泣き虫になったな。
淳が甘やかしすぎなんだろう?」

からかうように言う拓郎

「え、いや……」

何故そこに話が行く?
甘やかしているのは事実だが…

「拓郎が泣かせるような話するからじゃん…」

その通りだ

「ハハッ! 悪かったな」

「拓郎」

「ん?」

「お前は頑張ったと思う。
孤独にも耐えて、自分の力で夢を実現させた。
けどな、いつだって頼っていいんだぞ?
もしお前が大阪に逃げ帰って来たとしても、俺と環がそんなこと許すと思うか?
ちゃんと、また送り出してたよ。
お前に自信を取り戻させてな。
これから先だってそうだ。
いつでも壁にぶち当たったら頼ればいい。
溜め込む必要はないんだからな」

「淳……ああ、そうだな。
ありがとうな」
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