掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「倉子先生!
先日出版された小学生向けの推理小説、もうめちゃくちゃ人気なんです!
子供たちの間で口コミで拡がって、予約表は2ヶ月先まで埋まっています!」

「あら、嬉しい〜
じゃああと5冊くらい献本しましょうか?
環ちゃんが司書教諭になったのがきっかけで、小学生向けの推理小説を書こうと思ったんだもの。
あれは環ちゃんに宣伝してもらうための本なの」

きゃぁぁぁ〜〜!
これよ!
私のために書いてくれたって〜!

「ポップを作って、倉子先生の他の著書も並べて特設コーナーを作りました!
もう皆に知って欲しくて!」

もちろん【環先生の夏休みオススメ図書】にも入れている。

「うふふふ、有難いわ〜」

「……おい、本の話はその辺で……」

「あ、そうだった」

本の話になると止まらないのよね。

「そうね、今日は環ちゃんが来てくれて嬉しいわ。やっとうちの娘になってくれるんだもの。ね? あなた…」

「ああ、こんなに嬉しいことはないよ。
体調はどうだい?」

「吐き気はないんですが、眠くて眠くて。
それと、食欲が半端なくて…」
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