掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
《おまけ》尊い命
3月、臨月に入った環のお腹ははち切れそうに膨らんでいた。

ずっと食欲が全開だった彼女だが、大きなお腹が胃を圧迫し、さすがに食欲を失っていた。

「ちょうどいいのよ。
ちょっと何かを食べるだけであっという間に1kg増えちゃうんだから。
毎回、先生に注意されるのよ?」

そうは言っても、食べられない環を見るのは忍びない。

なんで二人分食べちゃダメなんだと考えてしまう。
もちろん、たまごスクールで体重を増やしてはいけない理由も学んだ。

環の場合、プラス12kgまでは許されるらしいが、もうMAXまで来ているらしい。

環の産後のためだ。
少ししか食べないと言うなら尊重しよう。

現在38週。もういつ産まれても問題はないそうだ。

順調に育っていて、今のところなんの問題もない。

名付け親を買って出た拓郎も、今では大阪に移り住んでいて、毎日の様に環のお腹を触りに来る。

最初はちょっとムカついたが、よく観察していると、環に、と言うより、環のお腹の子供が気になって仕方ないらしい。
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