掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
自ら名付け親になると言い出して、父性本能でも芽生えたのだろうか。
生まれたら今よりさらに入り浸りになりそうだな……。

まあ、誕生を喜んでもらえるのは親として嬉しい。

どんな子だろう……。

俺に似てる? それとも環か?

「彫りが深くて、目が……キツい感じ? いや、キツいというか、しっかりしてる感じかな」

「なんでわかるんだ?」

「それがね、夢を見たの。
多分前にも同じ夢を見たの。
今回の夢で3度目だと思う。
いつも起きたら忘れてしまうんだけど、今回だけはハッキリ覚えてて」

「……赤ちゃんの顔が見えたのか?」

「うん。
でも……赤ちゃんというよりはもっと育ってた」

「へぇー……」

いいなー。母親の神秘か?
俺は夢の中で子供の顔を見た事なんてない。

それにしても、目がキツイ?
いや、しっかりしてる?

「今回はちゃんと覚えているの。
彫りの深さは淳くんに似ていたんだわ」

彼女はまるで目の前に娘がいるかのように微笑んだ。
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