掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
実は夏休みの始め、友達になって欲しいと言われた杉山くんだが、その後ちゃんとお断りしたのだ。

もし杉山くんが、友達以上の関係を求めたいたら、やっぱり私は応えられないから。

でも、杉山くんは

「それでもいいよ。
友達って言ったけど、本当は一目惚れだった。
でも、きっと君には好きなやつがいるのだろうと思ってた。
わかってたんだ。
だから友達になって欲しいって言った。
それなら断らないだろう?」

その通りだ。
実際に、私は断れなかったもの……。

「でも今は、メッセージのやり取りを通して、環ちゃんの人柄が気に入った。
だから付き合えなくてもいい。
君の友達、相談相手、喧嘩友達?
俺はなんにでもなるよ。
このまま友達でいて欲しい」

そこまで言われては断れない。

「……わかった。
じゃあ、もし杉山くんに好きな女の子が出来たら教えて?
私も杉山くんの相談にのるから」

「……まあ、それはなかなか難しいと思うけど…」

困った顔をしながら、杉山くんは

「……わかった。遠慮しないよ?」

と笑ってくれた。
実に爽やかに。

それからも時折メッセージをくれる。

だから私達は、今とっても仲良しなのだ。
< 88 / 278 >

この作品をシェア

pagetop