初恋相手に失恋したので社交から距離を置いて、慎ましく観察眼を磨いていたのですが

 セドリー伯爵は王族の名前で縛って、絶対に息子を貴族女性と婚約させようとしてたんだろう。確かにあの男が平民を妻にすればセドリー家の未来は良くて没落、悪くてお取り潰しだ。

 そんな親の心子知らずである。
 あの馬鹿息子は父親の放った難球を打ち返し、あろう事か王族に怪我をさせてしまった。

 ……という訳で、「第三王子殿下の為にお願い!」というリエラの頼み(﹅﹅)を友人たちは張り切って叶えてくれているところである。上手くいけば殿下に名前を覚えて貰える。ついでにリエラの名誉も回復してくれる筈だ。友達なので。

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